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災害でクリエイターができること


2011年4月、研究者への道を志していた私は大学進学に伴い熊本に移り住んだ。
5年もの月日を過ごしたその地は私の第2の故郷となった。

無事に卒業し、熊本を離れてたった2週間の2016年4月14日21時26分。
想像を絶する揺れが熊本を襲った。
天災によって運命を左右された時、誰もが道を見失った。
全国に報道されて、様々な思いを胸に込めながら沢山の人が復興のため、
悲しみに溢れた熊本に満ちた自信を届けてくれた。
その時、祈りと微かな募金を捧げることしか出来なかった自分の無力さに腹が立った。

月日は流れ、熊本も天災前の日常を取り戻しつつあるある日。
私は突然安定した職を捨て、フリーランスフォトグラファーになると決め渡豪した。

1年間の修行を経て帰国し、その後も様々なクライアントワークを担当し
フリーランスとしての道を切り開いているさなか。

2020年7月3日第2の故郷を再び天災が襲った。
人々が満ちた自信を取り戻せたかと思ったその時、
礫を打つように雨が猛威を奮った。
熊川鉄道の象徴と言える赤い架け橋は瓦礫に埋もれた。
新しい疫病の情報に埋もれてしまい、依然として目を向けられていない現実。
県をまたいでの移動さえも制限されている今、半年以上経っているにも関わらず、災害発生直後の姿が町中に残っている。


創造力は、奪えない。


熊本地震の時にそんな思いから立ち上がった
クリエイティブ集団 Kumamoto Bridge


クリエイティブの力で未来を創造するKumamoto Bridgeとクリエイティブと言えばなAdobeがタックを組んだ。



地震の時に味わった不甲斐なさを二度と感じないためにも声を上げた。

細心の注意をはらい現地へと向かった。
そこにはテレビの向こう側でしか見たことのなかった現実が
非現実だと思いたい現実が広がっていた。

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水害により未だに復旧しない電車の橋。
つたは風化の象徴と目を向けられていない現実を表す。
クリエイティブの力で新たな赤い橋をかけ、人々の道標を作り出し、未来を創造する。
思いの力で県花のリンドウを咲かせ、
満ちた自信と愛情で溢れる街にしたい。
肩の荷を下ろし、羽ばたいてほしい。

そんな思いからこの作品を創造しました。

そしてもう一作品。
私たちからのメッセージ。

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水害が起きた今もなお、瓦礫に埋もれた多くの家々。
世界に広まるウィルスが話題となり、
目を向けられていない現実がある。
他県への移動は自粛され、天災が起こった時のように
自信と愛情を届けてもらえず、街に住む人々のみで復興を余儀なくされている。
人も、道具も揃わず、途方に暮れる作業をしているが、
人員があまりにも足りず、永遠に終わらない作業に蔦が生えそうだ。

目に飛び込む社会情勢を受け止めるだけでなく、
見えていない、報道されていない現実がある事にも目を向けてどうか知ってほしい。

物理的に離れている私たちに一体何ができるのであろうか。
すぐに行動できることは何であろうか。
今その場にいてできることは何であろうか。
よく考え、小さな一歩を踏み出し、手を差し伸べてほしい。
小さな一歩が、のちに大きな一歩となる。

クリエイティブの力で復興を支えたい。
私たちクリエイターにもできることがきっとある。
そう信じて。


まだまだ未熟者ですが、サポートしていただけると幸いです! サポートして頂いたお金は全てカメラに注ぎ込みます!